春日山城から川中島の合戦に向かう上杉謙信が富倉街道を通る際、村人が笹の葉の上にごはんとおかずをのせて差し出したのがはじまりというお寿司。うるち米に餅米を一割程度混ぜて炊いたごはんを笹の上に盛り、具をのせていただきます。具に使われるのは、ゼンマイなどの山菜やクルミ、ダイコンの味噌漬けを細かく刻んだ
ものなど。色どりを兼ねた薬味に、紅ショウガを少し添えて。ほかに油あげや錦糸玉子など、具材は家庭によって異なります。笹を使うのは殺菌力があるから。餅米を混ぜるのは、時間が経っても乾燥しにくくするための工夫。おかずを上にのせたのは、謙信が箸がない状況でも食べられるようにとの配慮から。今でも冠婚葬祭やお盆、年末年始などに食されている笹ずし。先人のさまざまな工夫が積み重なって、郷土食として受け継がれています。
飯山市富倉地区に伝わる郷土食「富倉そば」と「笹ずし」。この地域独特の伝統文化として世代を超えて伝えられて来ましたが、どちらも作るのに手間ひまがかかるうえ、集落の高齢化による担い手不足から、伝承存続の危機にあります。これらの問題解決に向けて中小企業庁の支援を受け、飯山商工会議所と関係団体が連携して、平成23年度、24年度地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト事業「峠の合戦食開発プロジェクト」を実施しています。この事業は、この二つの郷土食の魅力を地域資源と捉え、さらに新しい食のブランド醸成を図ることを目指した取り組みです。2013年の大学入試センター試験前には、合戦食でもあった笹ずしを食べて試験で力を発揮してもらいたいとの願いを込めて、長野県飯山北高等学校の3年生157名全員に「謙信笹ずし」を贈りました。
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